Care

歩行時の足のつらさ

足の疲労大丈夫ですか?

私たちは、一日に平均で6,000歩ほど足を使って歩いています。距離に換算すると、個人差はあるものの、なんと生涯で地球1周分になるともいわれています。多くの方が日常生活のなかで足の疲労を感じるのは、それほど足を使って歩いているからなのです。足の健康を保つためにも、歩行は人間にとって欠かせない基本的な動作です。しかし、歩行時は足に多大な負荷がかかっており、歩き方や姿勢が悪かったり、合わない靴を履いていたりすると、足に疲労が蓄積します。また、足は心臓から最も遠い場所にあり、重力の影響も受けるため、血行が滞りやすい場所でもあります。足が疲れる原因を正しく理解し、対策していきましょう。

足の疲れの原因は?

足が疲れる原因には「アーチの崩れ」があります。足には身体の体重を支える3つのアーチがあります。そのうちのひとつが、かかとと親指の付け根を結ぶ「内側の縦アーチ(土踏まず)」です。加齢や体重負荷、無理な運動などでここが落ちると、いわゆる「扁平足」になります。そのほか、かかとと小指の付け根を結ぶ「外側の縦アーチ」と、5本の指の付け根を結ぶ「横アーチ」があります。横アーチが落ちると、足の横幅が広がった「開張足」になり、結果「外反母趾」を引き起こしやすくなります。逆に、アーチが高すぎる「ハイアーチ」も、足が疲れる原因です。着地時の衝撃が指の付け根やかかとに集中しやすく、その部分に痛みが生じることが多いからです。足の筋肉が硬く、柔軟性がない方も足が疲れやすいです。特にアキレス腱が硬いと、ふくらはぎの筋肉が動きづらくなり、足の血行が悪くなります。その結果、足がむくんだり疲れやすくなったりします。

足の疲れはどうやって対処するの?

足のアーチを守るには、ストレッチなどで足の柔軟性を高めるのが効果的です。特にアキレス腱の柔軟性は重要です。アキレス腱が硬くなると、すねがスムーズに倒せなくなり、歩くたびにアーチをつぶすような動きになってしまうからです。また、ふくらはぎのポンプ作用が落ちると、足がむくんだり疲れやすくなったりするため、毎日適度に歩くことも大切です。足のアーチがすでに崩れていて扁平足やハイアーチなどになってしまった場合は、それぞれの症状に合わせたフットケア商品を使うのがおすすめです。たとえば扁平足の方は、土踏まずをしっかりと持ち上げてくれるようなインソールを選ぶのがおすすめです。逆にハイアーチの方は、着地時の衝撃が指の付け根やかかとに集中しやすいため、圧力が全体に分散されるようなインソールを選ぶとよいでしょう。

むくみがちな方は、着圧ストッキングを履くのも効果的です。着圧ストッキングには昼用と夜用があり、それぞれ用途が異なります。実は、立ったり座ったりする昼の方が足はむくみやすいです。そのため、昼用のストッキングは着圧が強くなっています。一方、就寝タイムである夜用のストッキングは着圧が弱くなっています。昼にはしっかり圧をかけたストッキングで足をサポートし、夜には少しゆるいストッキングを履いてむくみを予防してあげるのがおすすめです。

ドクター/院長 菊池 守

ライター/八木 麻里恵