扁平足
扁平足で悩んでいますか?
歩くたびに土踏まずの辺りが痛み、疲れる。そんな症状に悩まされている方は、もしかしたら「扁平足」かもしれません。足裏は本来まっすぐに平べったいのではなく、土踏まずの部分がアーチ構造になっています。このアーチ構造があるからこそ、歩行時の足にかかる負荷が吸収されたり、アキレス腱に加わった力がつま先に効率よく伝わったりします。しかし、何らかの原因で土踏まずが平らになってしまうと、通常の人よりも足にかかる負担が大きくなり、日常生活にも支障が出てくるかもしれません。扁平足になると、足が疲れやすくなったり、変形しやすくなったりします。健康な足を維持するためにも、扁平足について正しく理解し、対処していきましょう。
扁平足とは?原因は?
扁平足とは、足の変形によってアーチ構造にゆがみが生じ、土踏まずが潰れた状態のことを指します。一見土踏まずがあるような場合でも、体重をかけた時にアーチが潰れている場合は「隠れ扁平足」だといえます。扁平足になる原因はさまざまで、遺伝が原因の場合もあります。そのほかの原因として考えられるのが、アーチを形作っている「靭帯」の緩みです。加齢や体重負荷、無理な運動などによって靭帯が緩んでくると、アーチを維持し続けられなくなり、結果として土踏まずがつぶれてしまうのです。アキレス腱の硬さも、扁平足の原因になります。アキレス腱の柔軟性が低いと、すねがスムーズに倒せなくなり、歩くたびにアーチをつぶすような動きになってしまうからです。アーチが崩れると、扁平足だけでなく、親指の骨が外側に曲がった「外反母趾」なども引き起こしやすくなります。
扁平足の対策は?
扁平足を予防するためには、ストレッチや筋トレなどでアキレス腱の柔軟性を保ち、アーチに負荷をかけないことが重要です。すでに土踏まずがつぶれてしまっている場合は、ストレッチや筋トレだけで重力を支えるのは困難です。そのような場合は、足への衝撃を吸収してくれるインソールを使用することをおすすめします。インソールにもさまざまな種類がありますが、扁平足の場合は、アーチを持ち上げることによって足への衝撃を和らげる必要があります。そのため、土踏まずの部分にはある程度高さと強度のある固めのジェルなどでサポートしてあげると良いでしょう。靴にあたって痛い部分には、クッション効果のある柔らかいジェルなどが適しています。軽度な扁平足であれば、市販のインソールで十分です。しかし、重度の場合は病院でインソールの選び方を指導してもらうことをおすすめします。これらの対策を踏まえた上で、足にフィットした靴を履くことが大切です。適切なケアによって、快適な外出を実現しましょう。
ドクター/院長 菊池 守
ライター/八木 麻里恵