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外反母趾

その痛みもしかしたら外反母趾?

「足の親指が外側に曲がっている」「足の親指のつけ根が腫れて痛い」そんな症状でお悩みの場合は、外反母趾を引き起こしているかもしれません。外反母趾とは、親指の骨が外側に曲がり、つけ根の骨が外側に突き出ている状態をいいます。実は、女性の4人に1人が患っているといわれるほど、外反母趾はかなり一般的な症状だといえます。しかし、よくある症状なのにも関わらず正しい知識が広まっておらず、間違った対策をする人も多いです。中には放置したことで症状がさらに悪化してしまい、歩くことすらままならなくなってしまうケースもあります。日常生活の妨げにならないよう、外反母趾の原因を正しく理解し、適切なケアをしていきましょう。

外反母趾の原因は?

外反母趾になると、出っ張った部分が靴にあたって痛いだけではなく、親指と人差し指がクロスしたり、巻爪になったりするなどのさまざまな症状が引き起こされます。外反母趾の原因はさまざまで、遺伝によって引き起こされる場合もあります。そのほかの原因としてあげられるのが、合わない靴による圧迫や摩擦です。小さすぎる靴や先の細い靴を長時間履いていると、親指が他の指の方向へと押しやられ、親指のつけ根や関節部分が変形し、出っ張ってきます。また、ヒールの高い靴を履いていると、足が前にすべってつま先側に負荷がかかり、外反母趾を引き起こしやすくなります。土踏まずがつぶれた「扁平足」をはじめとするアーチの崩れも、外反母趾の要因になります。また、足のつま先側に負荷がかかると、5本の指のつけ根を結ぶ横アーチが押しつぶされ、足の横幅が広がった「開張足」になります。扁平足と開張足のどちらになっても、踏み返す際に親指のつけ根に大きな負荷がかかります。その結果、踏み返しの圧力を横に逃がすために親指のつけ根や関節部が変形し、外側に曲がってしまうのです。

外反母趾の対策法治療法

外反母趾は、変形が軽度で痛みが伴わないものであれば、足指のストレッチなどで進行を予防することができます。特にヒールの高い靴を履いた日などは、一日10分ほど足指のストレッチをしたり、両手で足指を広げてあげたりしてください。アーチの崩れを予防するには、アキレス腱の柔軟性を保つことが重要です。アキレス腱が硬いとすねがスムーズに倒せなくなり、アーチが崩れやすくなってしまうからです。アキレス腱のストレッチや筋トレなどを習慣化することで、アーチへの負荷を減らしていきましょう。また、開張足になっている場合は、指のつけ根をサポーターなどで締めてあげるのも効果的です。軽度の方であれば、進行を予防することができます。もちろん、これらの対策を踏まえた上で、足にフィットした靴を履くことは何より重要です。外反母趾は重症化してしまうと、手術が必要になります。そのため、外反母趾が疑われる場合は放置せず、上記の対策を行って進行を予防することが大切です。痛みや変形が気になる場合は、早めに病院に行ってアドバイスを受けてください。

ドクター/院長 菊池 守

ライター/八木 麻里恵